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📘 第4回「建築日和」【 大規模修繕工事中に起こりやすい課題と対応策】

🛠 工事中に発生しやすい課題とは?

大規模修繕工事は50戸以下の小規模マンションでも34か月、大きくなるほど長期間にわたりマンション全体で行われるため、居住者の生活に少なからず影響を与えます。
特に多いのは以下の課題です。

1.騒音(外壁補修・鉄部塗装など)
2.
臭気(防水工事・塗装作業など)
3.
共用部の利用制限(足場設置・仮囲いなど)
4.
安全管理(足場からの落下物・工事車両の出入り)
5.
犯罪リスク(防犯対策を講じる必要性)
6.
乳幼児や高齢者への配慮不足

👉 これらの課題をどうコントロールするかで、住民満足度が大きく変わります。

🔊 騒音対策

事前告知: 「どの工事でどの程度の音が出るか」を工事スケジュールと一緒に周知
作業時間の配慮: 午前9時〜午後5時までに制限するのが一般的
在宅勤務世帯への対応: オンライン会議の多い時間帯は特に注意

 

🌫 臭気対策

低臭タイプの材料を採用 (水性塗料・溶剤抑制型の防水材など)
換気の徹底: 居室への臭気流入を防ぐため、作業区画の換気を強化
住戸内への案内: 「この日は窓を開けないでください」といった具体的な指示を徹底

 

🚧 共用部利用制限

✖ベランダ使用禁止: 洗濯物干しの代替策を提示(コインランドリー補助など)
エントランス・駐車場の制限: 代替動線を図示して掲示
エレベーター制限: 荷揚げ専用時間を設定し、居住者の利用時間を確保

 

🦺 安全管理

足場落下防止対策: 飛散防止ネットの徹底。大雨・強風時は特に注意
工事車両の出入り管理: 誘導員を配置し、住民や子どもの安全確保
作業員へのマナー教育: 挨拶・喫煙マナー・服装・安全意識などの徹底

 

🔐 防犯対策

足場からの侵入防止: 侵入防止ネットや仮囲いの設置
プライバシーへの配慮: 作業員が空き巣や覗きを疑われないためにも、窓の施錠やカーテンを閉めるなどの対策を呼び掛ける
夜間の防犯: LEDライトや赤外線センサー、監視カメラを設置する事例も増加

 

🐶 乳幼児・高齢者への配慮

高齢者や乳幼児: 移動制限や工事中の振動でストレスが大きい
          ベビーカーや車いすの通行幅を確保する。エレベーター利用制限時などはサポートが必要

〇場合によってはペットへの配慮の検討も必要
〇地域によっては外国語で周知する必要もあり

 

まとめ

大規模修繕工事を成功させるには、工事そのものだけでなく 住民の生活に与える影響を最小化 することが不可欠です。

①騒音・臭気は「事前周知」と「低負担の材料選び」
②共用部の制限は「代替策の提示」で不満を軽減
③安全管理は「万全なルール作り」で事故ゼロを目指す

アイデア

不満の多くはコミュニケーション不足から生じるといっても過言ではありません。
工事前に住民説明会を尽くしても質問や苦情、疑問や不安は尽きないものです。

ご意見ポスト 意見や質問を施工業者に直接言えるような環境を整えると、ストレスを抱えることなく工事期間を過ごすことができる  ※回答スピードと丁寧さが肝心

お知らせボード 「本日の工事予定」や「今日はベランダに洗濯物干せます情報」「住民からの質問への回答」「現場責任者のご挨拶」など、日々の情報を一部双方向を交えて提供すると、工事の見える化ができ、住民が当事者感を持つことができる

管理組合も住民も施工会社も目指すところは同じ《安心安全快適な居住環境》です

 

👉 次回(第5回)は、修繕工事で失敗しないための 「チェックリスト」 をご紹介します。

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