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📘 第4回「建築日和」【 大規模修繕工事中に起こりやすい課題と対応策】
2025/10/24

🛠 工事中に発生しやすい課題とは?
大規模修繕工事は50戸以下の小規模マンションでも3~4か月、大きくなるほど長期間にわたりマンション全体で行われるため、居住者の生活に少なからず影響を与えます。
特に多いのは以下の課題です。
1.騒音(外壁補修・鉄部塗装など)
2.臭気(防水工事・塗装作業など)
3.共用部の利用制限(足場設置・仮囲いなど)
4.安全管理(足場からの落下物・工事車両の出入り)
5.犯罪リスク(防犯対策を講じる必要性)
6.乳幼児や高齢者への配慮不足
👉 これらの課題をどうコントロールするかで、住民満足度が大きく変わります。
🔊 騒音対策
〇事前告知: 「どの工事でどの程度の音が出るか」を工事スケジュールと一緒に周知
〇作業時間の配慮: 午前9時〜午後5時までに制限するのが一般的
〇在宅勤務世帯への対応: オンライン会議の多い時間帯は特に注意
🌫 臭気対策
〇低臭タイプの材料を採用 (水性塗料・溶剤抑制型の防水材など)
〇換気の徹底: 居室への臭気流入を防ぐため、作業区画の換気を強化
〇住戸内への案内: 「この日は窓を開けないでください」といった具体的な指示を徹底
🚧 共用部利用制限
✖ベランダ使用禁止: 洗濯物干しの代替策を提示(コインランドリー補助など)
✖エントランス・駐車場の制限: 代替動線を図示して掲示
✖エレベーター制限: 荷揚げ専用時間を設定し、居住者の利用時間を確保
🦺 安全管理
〇足場落下防止対策: 飛散防止ネットの徹底。大雨・強風時は特に注意
〇工事車両の出入り管理: 誘導員を配置し、住民や子どもの安全確保
〇作業員へのマナー教育: 挨拶・喫煙マナー・服装・安全意識などの徹底
🔐 防犯対策
〇足場からの侵入防止: 侵入防止ネットや仮囲いの設置
〇プライバシーへの配慮: 作業員が空き巣や覗きを疑われないためにも、窓の施錠やカーテンを閉めるなどの対策を呼び掛ける
〇夜間の防犯: LEDライトや赤外線センサー、監視カメラを設置する事例も増加
🐶 乳幼児・高齢者への配慮
〇高齢者や乳幼児: 移動制限や工事中の振動でストレスが大きい
ベビーカーや車いすの通行幅を確保する。エレベーター利用制限時などはサポートが必要
〇場合によってはペットへの配慮の検討も必要
〇地域によっては外国語で周知する必要もあり
✅ まとめ
大規模修繕工事を成功させるには、工事そのものだけでなく 住民の生活に与える影響を最小化 することが不可欠です。
①騒音・臭気は「事前周知」と「低負担の材料選び」
②共用部の制限は「代替策の提示」で不満を軽減
③安全管理は「万全なルール作り」で事故ゼロを目指す
✅ アイデア
不満の多くはコミュニケーション不足から生じるといっても過言ではありません。
工事前に住民説明会を尽くしても質問や苦情、疑問や不安は尽きないものです。
★ご意見ポスト: 意見や質問を施工業者に直接言えるような環境を整えると、ストレスを抱えることなく工事期間を過ごすことができる ※回答スピードと丁寧さが肝心
★お知らせボード: 「本日の工事予定」や「今日はベランダに洗濯物干せます情報」「住民からの質問への回答」「現場責任者のご挨拶」など、日々の情報を一部双方向を交えて提供すると、工事の見える化ができ、住民が当事者感を持つことができる
管理組合も住民も施工会社も目指すところは同じ《安心安全快適な居住環境》です
👉 次回(第5回)は、修繕工事で失敗しないための 「チェックリスト」 をご紹介します。
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