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🏢第9回「建築日和」 修繕・改修・模様替えの違い

マンションの維持管理に関わると、よく耳にするのが「修繕」「改修」「模様替え」といった言葉です。どれも似たように聞こえますが、実は意味や目的が異なります。工事を検討する際に、この違いを理解しておくことは非常に重要です。

 

1.「修繕」とは ― 壊れたものを直す工事

定義:「壊れた・劣化した部分を元の状態に戻す」工事を指します。

具体例

・外壁のひび割れ補修
・タイルの浮きや剥落を直す
・シーリング材の打替え
・共用廊下の防水塗装の再施工

効果

・雨漏りや漏水などの不具合を止める
・安全性を回復する
・建物寿命を延ばす基礎的なメンテナンス

👉 「直す・復旧」がキーワードです。

 

2.「改修」とは ― 性能や機能を向上させる工事

定義:修繕に加えて、「性能や機能を改善する」工事を指します。

具体例

・外壁塗装で耐用年数の短いアクリル塗料をやめ、フッ素や無機塗料に変える
・タイルの落下防止工法を導入する
・バリアフリーに配慮してスロープを設置する
・耐震補強を実施する

効果

・以前よりも「壊れにくく・安全で・快適な建物」にできる
・長期修繕計画において、将来的な工事コスト削減につながる
・建物の資産価値を維持・向上できる

👉 「直す」+「良くする」が改修です。

 

3.「模様替え(リフォーム)」とは ― 見た目や使い勝手を変える工事

定義:間取りや内装など、「住環境を改善するための変更」工事を指します。
エントランスなどで管理組合が直接行うこともありますが、区分所有者が自宅内で行うケースが多いです。

具体例

・室内クロスや床材の張替え
・キッチンや浴室の交換
・間取りの変更

効果

・見た目が新しくなることで快適性が向上
・入居者ニーズに応えられるため、空室対策にも有効
・築年数が経過した物件でも「古さ」を感じにくくなる

👉 「暮らしやすさ」「デザイン性」の改善がメイン。

 

4.3つの違いを表で整理すると…

区分 修繕 改修 模様替え(リフォーム)
目的 元に戻す 性能を高める 見た目・使い勝手を変える
対象 外壁、屋上、防水、設備など 外壁、耐震、バリアフリーなど 内装、専有部分
主体 管理組合 管理組合 各区分所有者
効果 不具合解消、寿命延長 資産価値向上、将来コスト削減 快適性向上、空室対策

 

5.管理組合が知っておくべきポイント

・大規模修繕工事は「修繕」を中心に、「改修」要素をどこまで取り入れるかで内容が変わる
・「改修」を取り入れると、初期費用は増えても長期的なコスト削減や資産価値維持につながる
 ・「模様替え」は個人対応ですが、配管や共用部分に影響する場合は管理組合の承認が必要

 

まとめ

 ★修繕=直す

 ★改修=直す+良くする

 ★模様替え=見た目・暮らしを変える

マンション管理組合や管理会社にとって、外壁や防水などの大規模修繕は「修繕」と「改修」のバランスをどう取るかが重要です。
「どこまで直し、どこまで性能を高めるか」を見極めることが、資産価値を守るための大きなポイントになります。

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