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📘 第20回「建築日和」【マンション駐車場】        ~機械式から平置きへ~

🚗機械式駐車場から平置き駐車場へ
維持費削減と住民ニーズに応える改修工事
🚗

マンションにおける大規模修繕工事の中で、ここ数年特に増えている相談が
「機械式駐車場の平置き化改修」です。
都市部の中規模マンションでは機械式駐車場を導入しているケースが多いのですが、維持管理費の負担や利用率の低下から、管理組合として頭を悩ませる要因となっています。今回は、この「機械式から平置き型への改修工事」について、その背景、メリット、工事の流れや注意点を分かりやすくご紹介します。

1)機械式駐車場の抱える課題
機械式駐車場は限られた敷地で効率的に多くの車を収容できるメリットがあり、バブル期以降の都市型マンションではよく採用されました。しかし、利用開始から1015年を経過すると、次のような課題が顕在化します。

・維持管理費が高額
保守点検契約や定期整備に年間数百万円単位の費用が必要です。利用率が低下しても、この維持費は固定的に発生します。
・修理や更新費が高い
故障時の修理には数十万円~数百万円、更新工事には数千万円規模の費用がかかる場合もあります。
・利用率の低下
車を保有する住民が減少し、空き区画が増える傾向にあります。空車が多いと管理組合の収入が減少し、維持費とのバランスが崩れて赤字を補填せざるを得ないことも。
・利用者の不便さ
車を出し入れする際に時間がかかる、サイズ制限で大型車が収容できないといった不便も指摘されています。

2)平置き化改修のメリット
そこで注目されているのが、機械式を撤去し「平置き駐車場」に転換する方法です。

・維持費が大幅に削減
平置き駐車場なら点検・整備は不要で、舗装やライン引きなど最小限の維持費だけで済みます。
・故障リスクゼロ
機械部品がないため、突然の故障や高額修理費が発生する心配がありません。
・使い勝手が向上
出し入れがスムーズで、利用者の満足度も高まります。
・用途転換が可能
余ったスペースをバイク置き場や駐輪場、防災倉庫などに転用できる柔軟性があります。

3)工事の流れ
実際の工事は以下のようなステップで進みます。

①機械装置の撤去
既存のリフトやターンテーブルなどを解体・撤去します。
②地盤整備
基礎部分を撤去し、舗装や地盤の均し工事を行います。地下ピット式の場合は埋戻し工事が必要です。
③区画の整備
駐車ライン、車止め、番号プレートなどを設置します。
外構工事
照明やフェンス、防犯カメラなど必要な設備を整備します。

👉 工期の目安は23か月程度ですが、地下ピット埋戻しを伴う場合はもう少し長期になるケースもあります。

4)工事の注意点
平置き化には多くのメリットがありますが、注意すべき点もあります。

・収容台数の減少
平置きは敷地効率が悪いため、改修後は駐車可能台数が減少することがあります。
・収支計画の見直し
駐車場収入が減る可能性があるため、長期修繕計画や管理費会計に与える影響を検討する必要があります。
・合意形成が難しいケース  
車を利用する住民と利用しない住民で意見が分かれることも。説明会での十分な情報提供が不可欠です。

5)最近のトレンド
近年は、自動車保有率の低下やカーシェアリングの普及も進んでおり、「すべてを駐車場にする必要があるのか?」という議論も増えています。

・空いた敷地を駐輪場に転用
・来客用駐車場や宅配スペースの整備
・カーシェア車両の導入

など、住民のライフスタイルの変化に合わせた柔軟な活用事例も出てきています。

🚗まとめ
機械式駐車場は一見便利に見えますが、長期的には維持費が大きな負担となり、利用者減少と相まって管理組合の財政を圧迫します。
そのため、「平置き化」という選択肢は、将来の安心やコスト削減につながる現実的な解決策といえます。

ただし、台数減少や収支への影響もあるため、十分な検討と合意形成が重要です。住民の生活スタイルやマンションの将来像を踏まえ、最適な駐車場計画を立てることが、これからのマンション管理に求められる視点といえるでしょう。

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